建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況(既存の物件のとき)

重要事項説明書の読み方

建物を新築する際や一定の増改築をする際は建築確認申請をする必要があります。

なぜ建築確認申請制度があるかというと、火災時や災害時に人命を守るしっかりとした建物を建築する必要がある為です。

この章では建築申請の際に利用した書類とその後の増築等を行った際の申請書類について、また、既存住宅について、建物の状況を調べた内容等を説明します。

(※このブログでは国土交通省のホームページに公開されている重要事項説明の様式例を元に解説をします。不動産会社の使用する書式の様式によって若干違いますが法律で定められている重要事項説明の内容は同じです。)

確認の申請書及び添付図書並びに確認済証(新築時のもの)

基本的に建物を建築する際には計画している建物設計が建築基準法に適合しているかチェックを受ける必要があります。

このことを建築確認申請といい、申請に利用した書類を建築確認申請書といいます。

そしてその検査に合格した証明として発行されるのが建築確認済証です。

よく済証(ずみしょう)と呼ばれます。

建築確認済証が発行されないと工事には着手できません。

ただし、この書類があれば適法に建築されたと言えるわけではないので注意が必要です。

検査済証(新築時のもの)

建築確認申請書の通りに建物を建築し、建物が完成したら建築主は4日以内に工事完了届を提出し、建築確認を受けた内容通りの建物ができたかの検査を受けなければなりません。

これを完了検査といい、この検査に合格した証明として発行されるのが検査済証です。

これがあれば新築時には適法に建築されたと言えます。

増改築等を行った物件である場合

一定の増改築を行う場合にも建築確認申請が必要になります。

確認の申請書及び添付図書並びに確認済証(増改築等のときのもの)

基本的に前述の申請書類と同じ内容です。

一般的な木造住宅で内装のリフォームを行う場合は建築確認申請は不要ですが、

増改築を行う場合は基本的に申請が必要になります。

申請なく増改築をしている場合は銀行の融資がつかないなど弊害がありますので注意が必要です。

検査済証(増改築等のときのもの)

増改築でも工事完了後に検査を受け、合格後には検査済証が発行されます。

工事が適切に行われた確認する重要な書類です。

建物状況調査を実施した住宅である場合

建物状況調査を実施した建物であれば建物状況調査結果報告書が発行されています。

建物状況調査については過去の記事を参照してください。

既存住宅性能評価を受けた住宅である場合

既存住宅性能評価とは、中古住宅の性能についてチェックし、与えられる評価です。

新築住宅の性能評価もありますが、中古住宅のチェック項目は新築住宅に比べて少なくなっています。

性能評価は国土交通省の登録を受けた機関「登録住宅性能評価機関」が行い、評価は1~5等級で表示されます。

なぜそのような評価制度があるかというと、住宅ローン控除やすまい給付金の申請に活用できる為です。

住宅ローン控除を受ける際には建物の築年数など取得建物に一定の基準が設けられています。

築年数が経過した建物でも既存住宅性能評価を受けて一定の基準をクリアしていれば住宅ローン控除の適用対象になります。

また、一部の金融機関では既存住宅性能評価で一定の評価を受けていれば住宅ローンの金利が下がることもあるそうです。

建築基準法第12条の規定による定期調査の対象である場合

建築基準法第12条定期調査とは不特定多数の人が利用する一定の建築物の所有者に対して、定期的に一級建築士などの資格をもった検査員の検査を受けることを義務付けたものです。

劇場や映画館などある程度大規模な建物が対象になります。

対象については自治体によって若干異なります。

住宅を検討する分にはあまり目にすることはないと思います。

注意すること

築年数が古い建物は新築時の建築許可は下りていても完了検査を受けていない建物もあります。

また、増築をしていて建築確認申請も完了検査も受けていなとなると最悪の場合、建築基準法違反の可能性も出てきます。

築年数のある程度経過した建物を検討する際は、建物状況調査や既存住宅性能評価などを活用して安全に取引ができるよう心がけましょう。

dokugakufudousan

当サイトの管理者。マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士に独学で合格。賃貸・売買仲介不動産会社勤務。

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