所有者不明土地対策 不動産の相続登記義務化へ

雑記

2021年3月5日所有者不明の土地を増やさないようにするための関連法の改正案が閣議決定されました。

法改正により相続や所有者の住所変更をしたの登記を義務付け、違反の場合には過料を課します。

地籍調査(主に市町村が主体となって行う一筆の土地毎に行う詳しい調査)によると、所有者不明の土地は全国の約2割となっています。

所有者不明の理由が相続登記の不備(登記申請をしていないなど)が66%、住所変更未登記が34%でした。

このような状況を改善するため不動産登記の制度を改正します。

相続登記、住所変更登記を義務化

これまで相続登記や住所変更登記は任意でした。

実際に不動産の住所変更登記をしていなくても普通に生活をする分には特に困りません。

今回の法改正により任意から義務へと改正されます。

いつまでに登記が必要か

相続の際には不動産の取得を知ってから3年以内、住所変更の際には2年以内に申請しなければなりません。

登記をしなかった場合はどうなるのか

登記申請を怠った場合には相続の際には10万円以下、住所変更の際には5万円以下の過料が課せられます。

これまで任意だった相続と住所変更の登記申請を義務化する。相続は土地の取得を知ってから3年以内、住所変更は2年以内に申請しなければならない。違反すれば相続は10万円以下、住所変更は5万円以下の過料を設ける。

過料とは 罰金や科料との違い

過料とはどのようなものかというと行政法規上の義務違反に対して少額の金銭を徴収するという罰則のことです。刑罰の罰金や科料とは違います。

相続をしたくない場合には「相続土地国庫帰属法」

不動産を相続する人の中には管理ができないであったり、維持費の負担ができないなどの理由で相続をしたくないという方もいます。

そのような場合を想定して新法の「相続土地国庫帰属法」も制定される予定です。

相続土地国庫帰属法とは

相続土地国庫帰属法とは望まない相続により土地が放置されるのを防ぐため一定の条件を満たす場合には土地を国庫に帰属させられるようにする制度です。

具体的には建物や土壌汚染や埋設物がなく、担保に入っていないなどの条件を満たすことと、所有者が10年分の管理費相当額を国に納める必要があります。

管理相当額については今後具体的に定められます。

共有者の一部が不明な場合

不動産は一人が単独で所有しているものばかりではありません。

数人で共有して不動産を所有している場合にその不動産を処分(売却など)する場合には原則として全員の同意が必要となります。

そのような共有の場合に共有者の一部が不明だった場合には売却を使用にもできないという状況になります。

そうなると結果的に何も活用できない土地が増えてしまいますのでそのような場合にも対応できるように法改正されます。

複数の人が所有する不動産の一部の所有者不明の場合、相当額の供託により不明者の持分の取得・売却が可能になります。

相続登記、所有権移転登記の義務化はいつからか

改正法案公布後2年以内の施行が予定されています。

制度の実現には行政のシステムの変更が必要になるため、相続登記の義務化は3年以内、住所変更は5年以内に施行する予定となっています。

dokugakufudousan

当サイトの管理者。マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士に独学で合格。賃貸・売買仲介不動産会社勤務。

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