割賦販売に係る事項

重要事項説明書の読み方

(※このブログでは国土交通省のホームページに公開されている重要事項説明の様式例を元に解説をします。不動産会社の使用する書式の様式によって若干違いますが法律で定められている重要事項説明の内容は同じです。)

不動産における割賦販売とは「代金の全部または一部について物件引き渡し後1年以上の長期にわたり、2回以上に分割して受領することを条件に販売すること」と宅地建物取引業法により規定されています。

不動産売買において割賦販売方式をとるのは非常に稀です。

親族間での売買や事情により住宅ローンが組めない方などの場合に利用されることがあります。

売買契約時に手付金を支払い、決済時に残代金一括支払いとする場合は実質金銭の支払いは2回ですが、不動産引渡までに代金を全額支払う事になりますので割賦販売にはなりません。

実際には住宅ローンを組んで金融機関へ長期に渡り返済していく事になりますが、売買代金自体は売主に一括で支払われます。

売主が宅建業者の場合の割賦販売の制限

売主が宅建業者の場合には買主保護のため以下の制限があります。

  • 買主の支払いが遅れても30日以上の期間を定めて支払いを書面で催告し、期間内にその支払いが行われない時でなければ、割賦金の支払いの遅滞を理由に、契約解除をしてはならない
  • 対象物件を所有権留保や譲渡担保としてはならない

割賦販売の場合に記載される事項

割賦販売自体が稀な契約形態ですが、割賦販売を行う場合には重要事項説明書に以下の内容を記載します。

現金販売価格

対象不動産を引き渡しまでに、割賦販売しなかった場合の売買代金価を記載します。

割賦販売価格

割賦販売で販売する場合の金額を記載します。

現金販売と比べてどのくらい金額が変わるかを説明します。

引き渡しまでに支払う金銭

対象不動産の引き渡しまでに支払う金額を記載します。

一般的にこの金銭は頭金と呼ばれます。

割賦金の額

割賦販売価格から上記引き渡しまでに支払う金銭を差し引いた額を支払う時の各回毎の代金を記載して説明します。

割賦販売の場合の注意事項

割賦販売は買主には大きなメリットがある反面、売主には非常にリスクの高い販売方法です。

割賦販売とした場合は売主は頭金だけを預かって所有権を買主へ移転し、残りの金額を支払ってもらえないかもしれないというリスクを負います(実務的には強制執行認諾付公正証書によってリスクを軽減します)。よって、一般的に売主の希望で割賦販売形式での契約を希望されることはほとんどありません。

もし割賦販売であった場合には支払う金額を確認して、納得した上で契約を締結する必要があります。

dokugakufudousan

当サイトの管理者。マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士に独学で合格。賃貸・売買仲介不動産会社勤務。

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